前回は音読から「想像力」を養うお話をしました。
音読からもう1つ得られる力…というよりは得て欲しい力が「答案力」です。
答案力とは、答案を作成する力、もっとやわらかく言えば、
「質問に正しく答えられる力」とでも言いましょうか。
ちょうどこのブログを書く直前の授業で、こんな回答をした生徒がいました。
質問:このような情報とはどのような情報ですか。
答案:意識しないうちに限られる。
これって絶対に間違いとわかりますよね。
質問に対する答案が、会話として成立していないからです。
私の授業でいう「答えになっていない」という答案です。
大人からすると、「え、こんな答え書くわけない!」と思うような回答でも
小学生・中学生はバンバンしています。
特に「国語が苦手なんです。」という生徒の半数はこんな感じの回答になります。
上記の質問「どのような情報ですか。」と尋ねられた場合、基本的には
「○○な情報」「○○という情報」といった答えとなります。
この「○○」の部分を考えるのが本来の国語のトレーニングなのですが、
その以前ができていない子が意外と多いんです。
同様に
質問:フィルターバブルに陥るとどのようなことが起こりますか。
という質問なら
答案:○○ということ(が起こる)
質問:傍線Aのときの作者の気持ちを答えなさい
という質問なら
答案:○○という気持ち や ○○への悲しみ
というように、○○の部分より先に「答え方」が考えられるわけです。
これって学校であまり教えないんです。
学校の国語の授業は内容理解に重きを置いているため、この答案の作り方はあまり教えません。
しかし、私はそれは当たり前だと思います。
この「答え方」は日々の営みのなかで十分補うことができるからです。
うーん、どこで?という答えはまさに「音読の宿題」です。
音読の宿題をしたあとに、4~5程度の質問をすれば、
この「答え方」が正しいかどうかを確かめることができます。
答え方がおかしければ、その都度「こう答えたほうがいいんじゃない?」と教えて上げて下さい。
教科書内容で答え方がおかしい生徒がいた場合、私は質問のレベルを一度その子の身の周りのレベルまで下げます。
私「好きなことって何?」
生徒「野球」
私「うん、そうやな、野球って答えてもいいし、野球をすることって答えても同じやな」
生徒「うん。」
私「なんで野球好きなん?」
生徒「面白いから」
私「そうそう、ほら、”から”って言葉使うやん。」
生徒「ほんまや!」
私「野球のどんなところが好きなん」
生徒「え~、ピッチャーがかっこいいところ…?」
私「へ~、そうなんや、ほらどんなところって聞いたら○○なところって答えたやろ」
というこんな感じでコミュニケーションを取りつつ、答え方を意識してもらうというわけです。
音読の機会をキチンと持つと、この「答案力」を確認しながら、
同時にどこまで内容理解ができているかの確認も取れて、一石二鳥です!
一緒に考えることで「想像力」も養われ…親子のコミュニケーションまで!
もうこれは…やるしかないでしょう!!!
というわけで、学年に関係なく、音読の宿題は一緒に取り組んでみて下さい。